日本は長らく超低金利が続いてまいりました。
普段金利を気にする機会は少ないのですが、ローンを利用する場合は金利を考慮する必要があります。
それが長期にわたる借入の場合はなおさらです。
ちまたでよく議論されている住宅ローンは「変動金利」と「固定金利」はどちらがお得なのか論を筆者ダエグの個人的見解も含めてみていきたいと思います。
住宅ローンの種類
住宅を購入する場合は、大部分の方が住宅ローンを利用することになると思います。
住宅ローンには様々な借り方や金利があります。
借り方:単独(一人名義)、ペアローン(夫婦名義)、親子ローンなど
借り方は、ご家族の収入状況によって最適解が変わってきます。主権者が収入の大部分を占めている場合は単独、夫婦共働きでそれぞれ収入がある場合はペアローン、親名義でローンを組むが年齢がネックになる場合等です。ペアローンは節税メリットがありますが、離婚等で一緒に住まなくなった場合の資産配分がややこしいデメリット等あります。
それぞれどの借り方がいいのかご自身やご家族でよく相談することがいいでしょう。住宅営業マンの言いなりになってしまうのだけはご注意です。
金利:変動金利、固定金利(3年、5年、10年等)、全期間固定
金利には様々な種類があります。代表的なものは変動金利と全期間固定(以下、フラット35)です。
金利は各金融機関によってまちまちですが、金融機関の基準金利(定価みたいなもの)から優遇金利を差し引いたのが実行金利です。
基準金利ー優遇金利=実行金利
ご注意すべきなのが3年~からの固定金利で借入をした際に、固定金利終了後の優遇金利です。当初の優遇金利と期間終了後の優遇金利が異なっている場合がありますので気が付かないと基準金利が変わっていなくても金利が上がってしまう場合があります。
変動金利・固定金利の特徴
返済額の違いが分かったところで、変動金利と固定金利の特徴を確認してみましょう。
変動金利は何といっても超低金利で借り入れを行うことができ、総返済額を抑えることができます。
また、金利が上昇しても返済額が急に上昇しないルールがあります。
全期間固定金利は変動金利に比べると金利が高いですが、完済までの金利が固定されるメリットがあります。
変動金利と固定金利の返済額
それぞれの返済額を試算してみましょう。
まずは住宅ローンの平均借入金額が2700万~3360万ですので借入金額を3000万円とします。
- 借入金額:3000万
- 返済期間:35年
変動金利(UFJ銀行参考):0.475%
毎月返済額:77,544円 返済総額:32,568,532円
全期間固定(アルヒ参考・○○ 自己資金2割 団新加入 当初1.08%、11年目以降1.58%)
当初返済額:85,808円 11年目以降:91,041円 返済総額:37,609,117円
差額は5,040,585円になります。
全期間固定のほうが当然支払い金額はおおくなりますよね。また、試算した金利よりも低い金融機関もあります。金利は毎月変わり、属性や融資建物によっても適用金利が変わりますのでご自身の適用できる金利をまずは把握される必要があります。
変動金利の注意点
変動金利は超低金利で借り入れを行えるため、通常より多めに借り入れを行ってしまう方が見えます。
返済金利が上昇すれば当然返済額が上昇します。住宅ローンは数十年の長期にわたる借入です。
返済の間には金利が変動するリスクや、自分の収入が変わる可能性もあります。また、借り換えを行う場合も金融機関によっては、借り換え手数料がかかる場合もありますので、リスクにどのように対応するかあらかじめ考えておく必要があることに注意することです。
金利上昇のシミュレーション(変動金利)
変動金利が上昇した場合に、返済額がどのようになるかシミュレーションしてみました。
変動金利0.475%、5年目に1%
総返済額:34,773,480円 全期間固定金利との差額 2,835,637円
変動金利0.475%、10年目に1%、20年目に2%
総返済額:35,219,760円 全期間固定金利との差額 2,389,357円
変動金利0.475%、5年目に1%、15年目に2%
総返済額:36,781,560円 全期間固定金利との差額 827,557円
上記のように、金利の変化が速い時期にあるほど、総返済額の差が少なくなっていきます。
変動金利を進めてくる営業トークの1つに「金利が上昇しそうになったら固定金利にいつでも変えられますよ」といったものがあります。
次の図は過去の変動金利と固定金利の金利推移です。
とても分かりずらいのですが、変動金利が上がったのがリーマンショック前のミニバブルの時です。この時は先に固定金利が上がっていてその後時間差で変動金利が上がりました。営業トークで言われる「上がったら変更する」というのは変動金利まで上がるころには、とっくに固定金利は上昇しているということです。
だからといって固定金利の上昇から将来変動金利が上昇するか判断するのは至難の業です。
また、変動金利が上昇してもリーマンショックの時のように下がる可能性もあるのです。
ここからはダエグの主観が大きく入るのですが、変動金利を選択した場合は借り換えや固定に逃げることはせずに変動で行くほうが良いのではと考えます。
まとめ:結局どちらがおすすめ?
いろいろと変動金利と全期間固定金利の説明をしてきましたが、結局どちらがいいのか?
ダエグは全期間固定金利押しです。
理由は、完済までの返済計画が決められるから。です。
変動金利は確かに返済総額が少なくなります。実際、平成は変動金利を選択した方が正解でした。
ただし、変動金利は金利状況局面での心理的負担や、5年ルール、125%ルールにより当面の不安が取り除ける半面、満期で残債が残っているリスクがあります。
リスクを取りたい方は変動金利にすることはいいと思います。
返済に不安がある方は、みんなに流されずに固定金利で安心を選択するのがいいかと思います。
そもそもフラット35の返済額が高くて返せないと感じている方は、借り入れが身の丈に合っていない可能性がありますので、営業マン、FP、金融機関のいうことを鵜吞みにせずご自身でしっかり考えましょう。
それでは皆さん、後悔のない住宅ローンを選択してください。
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